陶芸のすすめ

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乾燥~素焼き

成形が終わると、次の工程は「乾燥」です。陶芸が初めての人は、成形したら「さあ窯で焼こう」と思うかもしれませんが、水分を多く含んだ成 形直後の作品をいきなり窯で焼くと、粘土が破裂して窯の中が滅茶苦茶になってしまいます。しっかり乾燥させるために、1週間程度の自然乾燥を行うようにし ましょう。早く乾かしたいからと言って、日の当たるところに置いたりするのもダメです。急激な乾燥は表面の水分だけが失われるため内側まで乾燥しにくくな りますし、均一なスピードで乾燥しないためにせっかく成形した作品に反りやゆがみが生じることもあります。また、焼く前に乾燥の段階でひびが入るのも乾燥 が均一に行われていないのが原因です。乾燥は湿度80%温度40%程度の日陰で、1週間ほど時間をかけてゆっくり行います。その途中、生乾きの段階で、器 の底となる部分に高台を付ける作業を行います。初めから底を厚めに作っておいて、ろくろで回しながらカンナを使って高台を削り出す方法と、細長くした粘土 を底の部分に付けて高台とする方法の2種類が一般的です。いずれにしても、器として使うからには置いた時にグラグラしないように安定した高台を付けるよう に注意します。高台をつけたらその後は全体がしっかり乾燥するまで再び乾燥の工程を続けます。
作品がしっかり乾燥したら、次は素焼きの工程です。粘土を乾燥させただけでは釉薬がきれいに付かない場合がありませんし、釉薬を付けられるだけの強度を得 るためにも、一度素焼きをすることが必要です。乾燥がしっかり行われていないとこの素焼きの際に割れてしまうため、ここまでの作業はじっくり行いましょ う。素焼きは800度前後の温度で8時間程度行うのが一般的で、その後は熱が自然に冷めるまで釜の蓋を開けずにおいておきます。すぐに蓋をあけてしまう と、急激な温度変化で作品が割れてしまうことがあるので注意しましょう。陶芸教室などに通う際には、窯を使う素焼きなどの作業は教室のスタッフが行ってく れるのが一般的なので、自分でそうした温度管理をすることはほとんどありません。最近では個人で窯入れまでできる小さな窯を購入して自宅で陶芸をする人も 増えているのでそうした際には注意しながら素焼きをしていきます。素焼き後をすることで乾燥だけの状態よりは丈夫になりますが、まだまだ脆い状態ですの で、欠けたりしないように取扱いにも気を付けましょう。

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